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「タイミングが悪かった」…本当にそうですか?【第2話:こころのメモ④】

今日は機嫌が悪そう…また言い出せなかったーーそんなふうに、相手の顔色ばかり気にしていませんか?

夫の機嫌は、あなたの責任?

「夫は、忙しくて機嫌が悪かったんだと思います。…タイミングが悪かったんです」

私は、真里奈のこの言葉に愕然としました。

カウンセリングを受けたいという願いを夫に理不尽に突っぱねられた。その理由を、真里奈は自分の「タイミングの悪さ」のせいにしていました。まるで、夫の機嫌を保つのが自分の責任であるかのように。

でも…これは「愛情ある関係」でしょうか?

健康的な関係では、「忙しいから」「機嫌が悪いから」という理由でパートナーの相談事を一蹴することはありません。
パートナーが心配事を相談してきたことで「罰を受ける」ことはありません。

支配的な関係では、被害者は常に相手の感情の責任を負わされます。
「お前が怒らせた」
「タイミングが悪い」
「空気が読めない」

なぜ「完璧なタイミング」は永遠に来ないのか

こうした経験が積み重なることで、被害者は次第に、相手の機嫌をうかがい、完璧なタイミングを計り、どう話せば受け入れてもらえるかを考えるようになります。虐待という最悪の事態を防げるように思えるからです。

でも、そんな「完璧なタイミング」は永遠に訪れません。なぜなら、問題はタイミングではないからです。

そうした関係では、支配に回る側は、「相手が自分の機嫌を取るのは当然」だと、どこかで信じています。そしてそれに添わなければ不機嫌になり、怒りや沈黙で相手を従わせようとします。
被害者は過去の恐怖心がよみがえり、それ以降、事態が悪化しないように「相手の機嫌を損ねないように動くのは“当然”だ」と、徐々に思い込むようになります。

真里奈の「タイミングが悪かった」という言葉は、少しでも安全だと感じられるように、長年かけて身につけた思考パターンでした。

大人の感情は、大人自身が引き受けるもの

…でも、思い出してください。

大人の感情は、大人自身が引き受けるもの。

あなたが誰かの機嫌を背負い込む必要は、どこにもないのです。

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