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「正しい選択」が苦しいときーーその違和感の正体は?【第2話:こころの深層】

「自分の気持ちがわからない」——そんな感覚に、心当たりはありませんか?

真里奈が語った「しぼんだ風船」という言葉は、心の束縛が長期にわたり心に与えた影響を象徴しています。今回は、この“見えにくい支配”のメカニズムを解説します。

解離——感情が遠のいていく感覚

真里奈が自分の状況を「大変だなぁ」と他人事のように表現したのは、「解離」という心の防御反応の現れでした。圧倒的な苦痛から心を守るため、感情を「切り離して」しまうのです。これは異常な状況での正常な反応と考えられています。

ロジハラ?「正しさ」に潜む支配の構造

「夫婦のことは夫婦で解決すべき」「病気じゃない」「他力本願になるな」
これらの言葉は、一見合理的に聞こえますが、ロジハラ(ロジカルハラスメント)とも呼ばれ、支配関係を強化するメッセージでもあります。外部との接触を断ち、孤立を促し、被害者の感情を封じて歪め、自分の感覚を信じられなくさせ(ガスライティング)、自立心を利用して「助けを求めること=依存」と錯覚させる効果があります。

最も巧妙なのは、被害者が「自分で選択した」と錯覚してしまうことです。真里奈は制限された選択肢の中で「コーチングなら大丈夫」と考えましたが、「もしバレても大丈夫かな」という言葉が示すように、真の自由ではありませんでした。

学習性無力感とガスライティング

「何ヶ月も言い出せなかった」という体験は、心理学でいう「学習性無力感」の典型例です。何度も拒否されるうちに、“言っても無駄”と感じるようになった——それが無力感の正体です。
また、「タイミングが悪かった」と自分を責めてしまう感覚も、長期間のガスライティングにより、加害者の視点を内面化してしまった結果といえます。

感情を押し付けられていませんか?

支配的な関係では、被害者は常に相手の感情の責任を負わされます。相手の不機嫌を恐れ、沈黙や怒りに対して“自分が悪いのかも”と感じてしまうことが続くと、「相手を怒らせないように生きる」ことが当たり前になってしまいます。

回復への第一歩

こうした状態は、すべて心が生き延びようとした結果です。
「何かがおかしい」
この感覚を信じること、すべてがここから始まります。


心当たりありませんか?

もし、真里奈と似たような経験があるなら——

  • 自分の苦しみを“他人事”のように感じることはありませんか?
  • 誰かの機嫌や感情を「自分の責任」のように受け止めていませんか?
  • 「正しいこと」を言われながら、自由に選べなくなっていませんか?
  • 「タイミングを見て」話すことに、疲れていませんか?

孤立が、支配関係を強めます。
もし、違和感を感じていたら、たとえ小さくても、その感覚を大切にしてください。
あなたのペースで、信頼できる人に話してみてください。
その苦しさは、あなたのせいではありません。

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