「いくら頑張っても何か足りない」ーーそう感じるあなたへ:第1話【こころのメモ③】
「頑張っても、夫の基準には届かないんです」
真里奈のこの言葉に、私の胸が締め付けられました。
「なぜできないんだ」
「もっと集中しろ」
「数週間前と矛盾している」
夫から浴びせられる言葉の数々。真里奈は、それが「正当な指摘」だと思い込んでいました。
でも… これは指摘ではない。正しいように聞こえるけど、それは優位な立場の人からのただの批判、ただの攻撃だったのかもしれません。
どんなに頑張っても、届かない。いつの間にか、ルールが変わり、届きそうだったゴールが、また遠のいてる——そんな繰り返し。もっと高いところに、もっと遠いところに。永遠に訪れることのできない基準。
そして、その基準に至らなかったことへの痛烈な真里奈の人格非難。
「どう頑張っても届かない」
これが続くと、自分がダメなんだと思い込んでしまう…
真里奈の疲れ切った表情が物語っていました。
「自分が劣っているから」と自分を責め続けた日々を。
「頭の構造が違うんだと思います」
そんなふうに言わせてしまうまで、彼女の自信は削り取られていたのです。
あなたは今、誰かの「基準」に合わせようと必死になっていませんか?
その基準は、本当にあなたのためのものでしょうか?
あなたが望む方向に導くものですか?
あなたは、自分の基準を持っていい。
あなたは、自分の基準で生きていい。
もし、あなたが疲れ果てているなら、あなたを縛っている基準はないか、それはなにか、思いをめぐらせてみませんか?